入居契約への同席について
紹介センターの仕事は「どこまで?」
私たち高齢者ホーム紹介センター相談員の仕事は、大雑把にいうと「入居を検討しておられる相談者に対し、希望や条件に沿ったホームをご紹介する」ことです。
「紹介」するのが仕事ですから、費用などの条件や希望する入居時期などを電話やメールで伺い、該当するホームの資料を郵送するのも「紹介」の手法のひとつといえますね。
「資料を送る」というやり方で既に「紹介」はしているわけですので、そこから先の「施設見学への同行」は業務の範囲外としてご家族だけで見学に行っていただくという紹介センターがあっても不思議ではないということになります。実際、施設見学に同行しない紹介センターはたくさんあります。
ご家族と施設見学に同行するとなると一人の相談員を一定時間拘束することになります。当然その時間、その相談員は新しい相談を承ることができません。効率が良くないのです。
「見学同行」まででOK?
ただ、紹介センターの相談員が見学に同行しないとなると、「高齢者ホーム初心者」が大半であるご家族など相談者が「高齢者ホームのプロ」である現地の施設長やホーム相談員に相対しなくてはならないということになります。聞くべきこと、確認すべきことをきちんと踏まえて高齢者ホームの見学ができるご家族はそう多くないでしょう。そのあたりのことは過去に「紹介センターと見学同行」と題した前後編の記事でご案内しています。
では、「見学同行」まで対応すれば、紹介センターの仕事は完了でしょうか。
契約の同席は、ご家族から喜ばれるサービス
ウィルホームコンサルプラザではホーム見学時の同行を徹底しており、ご家族から「ついてこないで」と言われない限りはご一緒させていただいていますが、入居先をお決めになられたあとの契約への同席も承りますとご案内しています。
高齢者ホームとの入居契約は、当然ながら初めてという方が多く、不安だから同席してほしいという方は結構多くおられるのです。ご相談者様に喜んでいただけるのなら…と同席をさせていただいていると、私たち紹介センター側にとってもメリットがあることに気が付きました。
契約に同席する紹介センター側のメリットとは
重要事項説明書や入居契約書の内容を読み合わせ、署名・捺印を交わすこの手続き、90分~2時間程度かかることも少なくありませんが、それだけのメリットとして私たちが感じたのは以下のようなことからです。
(1)契約内容をあらためて確認できること
見学時に伝えていただいたことが、契約書に反映されているかどうかを最終的に確認することができます。ご家族様の勘違いや、ご理解が不十分な箇所があればそこを補足して説明することも可能です。
(2)言った言わないトラブルを未然に防止できること
これは見学同行の際にも言えるのですが、「あのときホームの○○さんはこう言った」「いやそういう意味で申し上げたのではありません」といったトラブルは、第三者が同席することで大部分を防ぐことができます。
(3)契約が適切に行われているか確認できること
契約に来られたご家族がせっかちな方で「どこに名前書けばいいの?」「ハンコはここ?」と説明を受けずに契約を進めようとされることがあります。ピリピリした雰囲気の中、ホーム側の契約担当も急かされることで早口になってしまったり、端折ってはいけない箇所を端折ってしまったりということになりがちです。
同席していればこのとき、契約にはしかるべき時間が必要であること、入居後の「聞いていなかった」トラブルを避けるために必要な説明であることなどをお伝えし、適切な契約が行われるようサポートすることができます。クレームの未然防止は大きなメリットですね。
ホーム運営会社の中には、甲でも乙でもない第三者の契約同席を不可としているところもあって100%同席可ではありませんが、上記のとおり私たち紹介センター側にもメリットの多い「契約同席」、ウィルホームコンサルプラザでは積極的に承ります。どうぞお気軽にお申し付けください!
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