2022.01.13
なぜ紹介センターはそのホームを紹介しなかったのか【業界としての問題点】
「相談無料」の裏側にあるもの
老人ホーム紹介センターは、相談者をホームにご案内し、入居が決まれば運営会社から紹介手数料を受け取るビジネスモデルが一般的となっており、相談者からは相談料や情報提供料、見学同行費などをいただくことなく無料で相談を承るところがほとんどだと思います。私たちウィルホームコンサルプラザでもそうです。
相談にかかる費用が無料なのは、相談者側からすればありがたい話ではありますが、果たしてそこに「落とし穴」はないのでしょうか。
既見学済ホームは紹介手数料の「対象外」
相談者が紹介センターとコンタクトを取る前に、あるホーム(仮にA社のaホームとします)と直接連絡を取って既に資料請求やホーム見学をしていたという場合で考えてみましょう。この場合、aホームにご案内しても紹介案件の対象にはまずなりません。資料請求までならともかく、既に見学までしている場合はほぼ100%対象外になるでしょう。
ホーム側からすれば「既に知っている人をわざわざ紹介してもらう必要がない」ということで、まあ当たり前なんですが。
…となると紹介センターは自身で提案したB社やC社に誘導し、aホームへの入居を全力で阻止するでしょう。aホームに入られては紹介手数料が入らないからですね。
相談者が既見学済のaホームに条件面等で不満があり、他の選択肢を提示して欲しいと相談に来た場合はそれで良いかもしれませんが、「aホームは見学してそれなりに良い印象を持ったけれど、プロとしての第三者の目でアドバイスが欲しい」という理由で相談に来ていた場合は問題です。プロの目で客観的に見てaホームがベストだったとしても、紹介センター相談員はまずaホームは推さないでしょう。
でもそれは紹介センターの社員としては優秀なのかもしれませんが、社会的に見たらむしろ害悪ですらありませんか?
紹介センター会社に手数料を稼がせるために大事な親族または自身のホーム入居を相談しているわけではないのですから。