老人ホームまわりのコトバ辞典(6)
おぶつ-しょり-しつ【汚物処理室】
読んで字のとおり。汚物を流したり使用済のおむつなどを廃棄前に一時的に保管したりする目的から、高齢者施設や病院などで設けられている。
近年、特に高級感や洗練された雰囲気を重視する高齢者施設の中には「汚物処理室」の表記によって館内の全体イメージを損ねないよう、扉には施錠の上で無表記としたり、「ユーティリティールーム」など別の表記を採用しているところも増えてきた。
にんち【ニンチ】
近年、介護現場などで耳にすることが増えた認知症の「略語」。2004年、侮蔑的な意味のあった「呆け、痴呆症」を認知症と改めることとなったが、この「ニンチ」も「あの人最近ニンチが入っている」「ニンチ進んだね」という風に蔑称的なニュアンスで使われることが多いとされ、各所で問題提起がなされている。本ブログでは使用を控えたいコトバとしてあえて取り上げることとした。
そうてい‐きょじゅう‐きかん【想定居住期間】
一般的には、「入居者の概ね50%がその住まいに入居し続けることが予想される期間」として説明がなされているが、入居時に前払金を要するホームにおいては「償却期間」に相当。入居時に支払った前払金は、この想定居住期間内の退去であれば、ホームの定めた計算式により返還金が発生することとなる。
なおホームによっては入居時の年齢ごとに想定居住期間(=前払金の償却期間)を変えているところもあり、高齢になるほど短く設定されているが、例えば「入居時満年齢90歳以上(想定居住期間4年)」という表記を見た90代の入居検討者が、「あなたの寿命はだいたい4年くらいです」と言われているような不愉快な気持ちにならないものかと懸念する声も一部で見られる。