老人ホームまわりのコトバ辞典(3)
しょうかい-せんたー【紹介センター】
民間の高齢者向け施設への入居相談を、第三者の立場で受ける相談所。株式会社や有限会社など民間企業の運営が大半。介護保険制度の施行以降、民間高齢者向け施設が急増したのに伴い、その数を増やしている。
個々の高齢者施設運営事業者と業務提携を結び、紹介した相談者が入居した場合のみ、事業者から成功報酬を受領するスタイルが一般的で、相談者からは費用を取らない事業者が多い。
入居相談や希望施設パンフレットの取り寄せ代行、見学時の日時等の手配から施設見学への同行などを行い、入居に向けた様々なサポートを実施する。
統括する業界団体がなく、また事業開始にあたっての行政上の許認可等が不要で、相談員として業務に携わるための資格もないため、紹介センター自体の定義や提供すべきサービスについての決まりがない点や、事業者ごと、相談員ごとの差が大きい点は今後に向けた課題と言える。
かり-もうしこみ【仮申込】
ホーム見学後、居室を一時的に「押さえる」ための手段。まだ未見学のホームが残っているため即決するつもりはないが、候補として残しておきたいときなどに使う。期間はおおよそ1週間から10日程度とするホームが多い。
手付金などの費用や、最終的に別のホームに決めたときの「キャンセル料」も一切不要とするところが大半。
検討期間中に、候補として考えていた居室をほかの見学者に取られないようキープできる点は魅力だが、複数のホームに仮申込を入れた場合、選択しなかったホームへ断りの電話を入れることを申し訳なく思う相談者も少なくない。この場合、紹介センターを活用していると断りの連絡は相談員に依頼できるため、精神的な負担を軽減できるという見方もある。
にいよん-なーす【24ナース】
有料老人ホームなどで、看護師(厳密には准看護師も含むので「看護職員」)を24時間体制で常駐させている職員体制であることを表す言葉。
あくまでも業界用語であるため、一般的に用いるのは本来適切ではないが、相談者や見学者に対する紹介センター相談員や有料老人ホームの入居相談員のトークでも多用されている。
ほうもん-しんりょう-と-おうしん【訪問診療と往診】
有料老人ホームの入居者が、ホームの定めた協力医療機関と個別に契約することによって受けられる医療的なサービス。
このうち訪問診療は診療計画によって定められた訪問スケジュールに基づいて定期的に行われるもので、月に2回程度の訪問としているところが多い。
一方、往診は突発的な病状の変化があったときなど、緊急時に「かけつける」診療のことを言う。
有料老人ホーム見学時の説明でまれに耳にする「定期的な往診」は上記の定義から、誤り。
なお定期的な訪問診療は行うが、緊急時の往診は人員体制等の問題から(特に夜間帯などは)難しいとする医療機関もあるため、訪問診療と往診がどのように行われるのかについては確認が必要である。