老人ホームまわりのコトバ辞典(7)
こうれい‐か‐りつ【高齢化率】
総人口に占める65歳以上人口の割合を示した数値。昨年9月、東京都総務局から発表された「東京都の高齢者人口(推計)」によると都内全体の高齢化率は23.1%で過去最高を記録。
なお日本全体でみると、2015年10月時点で高齢化率は26.7%となっており、既に「4人に1人は高齢者」時代に突入している。
かいご‐の‐ひ【介護の日】
2008年7月、厚生労働省によって毎年11月11日が介護の日として定められた。例年、当日及びその前後に介護にまつわるフェアやフェスティバルが各所で開催される。
「介護について理解と認識を深め、介護従事者、介護サービス利用者及び介護家族を支援するとともに、利用者、家族、介護従事者、それらを取り巻く地域社会における支え合いや交流を促進する観点から、高齢者や障害者等に対する介護に関し、国民への啓発を重点的に実施するための日」(厚生労働省報道発表資料より転載)としている。
なお日付の由来は「いい日、いい日」から。
こうぞう【構造】
高齢者施設の構造は、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造の三種が主となっている。中でも鉄骨造は耐火性があってコストが鉄筋コンクリート造より安価、工期も短いことから、介護保険制度施行前後のリフォーム型有料老人ホーム開設が一段落したあとの「新築ホーム開設ラッシュ」時以降、今も多く採用されている。
鉄骨造は、規格化された鉄骨を使うため設計の自由がある程度制限されるというデメリットがあるが、逆に同仕様の物件を均質な構造体で造りたいという場合はメリットにもなっている。
一方、最近は木造の有料老人ホームも少しづつみられるようになった。材料費や建築コストが工法や規模にもよるが鉄骨造より安価なことを背景に、木材の持つ断熱性や調湿効果、木の温もりによるリラックス効果など、高齢者施設にとって有利な条件を持つことがあらためて注目され始めている。
なお開設されている木造有料老人ホームは、耐火・耐震など防災の厳しい基準をクリアした物件であり、また構造体の特性上、建物は中・低層のものが多い。耐久性維持のためのメンテナンスがどのようになされているかがカギとなる点は留意が必要で、施工業者の質も問われる。
最後に、鉄筋コンクリート造は気密性や防音性が非常に高く、また防災の観点から耐火・耐震にも優れているという特徴があり、6階建以上の高層有料老人ホームや、館内に大きなホールや屋上庭園などを持つ高級タイプの有料老人ホームで多く採用されている。
三構造の中では最も工費が高額で工期もかかるが、きわめて耐久性に富む点は、長期にわたって高齢者の住まいとなる有料老人ホームでは大きな安心材料になり得る。また設計やデザインに自由度が高いことから、しゃれた外観や大窓など特徴的な共用部を持ったハイクラスなホームとの親和性は高いと言える。