私たちが見学のときに確認していること(4)
相談員が見学時に確認している10項目の4つ目です。
今回のテーマは、
「リハビリはどのようなことをしていますか?」
です。
最近、リハビリについてご家族様からご要望を頂くことが増えてきたように思います。
需要の高まりに比例して、リハビリに注力したホームも増えてきています。
しかし、この「リハビリ」はご家族様とホームで考え方のズレが大きいケースもあり、ご入居前にきちんと確認をしていないと後々トラブルになることもあります。
リハビリに関しては何を確認すべきなのか、まとめてみました。
その1:専門スタッフの配置の有無
理学療法士や作業療法士など、リハビリを専門とするスタッフがいるのかどうか確認をしています。
理学療法士や作業療法士が必ずホームにいなければならないという決まりはありませんので、リハビリに特化しているホームが増えてきたとはいえ、常駐しているホームは少ないと言えます。
専門スタッフがいるホームでは、お一人お一人に合わせたリハビリプログラムを作成し、経過を評価できるということが最大のメリットです。
その2:過去の事例
「ホームでリハビリを続けていった結果、要介護3から要介護2になった」「胃ろうを造設していた方でお口からお食事をしたいという方が嚥下(食べ物や水分を咽頭と食道を経て胃へ送り込むこと)の訓練を続けた結果お口からお食事ができるようになった」などの過去の事例を確認しています。
後述の方はその1でご紹介した理学療法士などのスタッフではなく、言語聴覚士というスタッフか、摂食嚥下も診てもらえる歯科と提携をしているホームでないとリハビリが難しいので、嚥下機能のリハビリをお望みであれば、言語聴覚士や協力医療機関の歯科医との連携に関して確認が必要です。
その3:内容と頻度
専門スタッフがいる場合、個別でリハビリがどのくらいできるのか、目安として確認をするようにしています。
また、専門スタッフがいないホームの場合、「リハビリに関しては、生活リハビリです。」と言われることが多いと思います。
「生活リハビリ」とは何かというと、ホーム内での生活動作すべてをリハビリとして意識するということです。
リハビリとは、マシンを使うことだけがリハビリではなく、居室から食堂へ手すりを伝って歩いて移動をすること、着脱時のボタンの付け外しなど、手先の訓練等、生活の中の動作すべてをリハビリとしてとらえるということです。
大半の有料老人ホームの場合、食堂やお風呂は共用のところが多いので、1日3回のお食事+おやつ、入浴、レクリエーションなど、起きている間で居室にいる時間の方が少ないのです。
個別で専門的なリハビリを受けることも重要ですが、起きている時間に、居室にこもってベッドで横になる時間があまりないということも重要です。
リハビリはその方のお体の状態や、意欲によっても結果が大きく左右されることが多いと思いますので、週何回、何分といった数字だけで一概にご判断することはあまりお勧めできません。
また、ご本人が楽しく継続していくことも重要なので、スタッフの方だけではなく、ご家族様もモチベーションが上がるようなお声がけをするなど、周りの方の精神的なケアも必要なのかもしれませんね。
次回は、「協力医療機関との提携内容について」です。
乞うご期待!