相談員雲井の街歩きで見つけた昭和~テレホンカード栄枯盛衰~
「販売中」とありますが、おそらくもうこのお店でテレホンカードは売っていないでしょう。日の当たりやすい右下部分から色あせが進行していますね、間に合って良かったと思います。
昭和採集マニア垂涎の街、池袋本町
この画像は豊島区池袋本町で採集したものです。池袋というとデパートやショッピングビルの建ち並ぶ池袋駅前のイメージをお持ちの方も多いと思います。確かに2015年には高層タワー型の区役所新庁舎も池袋駅東口から徒歩圏内の位置に完成するなど、駅周辺は活気もあり大勢の人でいつも賑わっています。
…が、池袋駅前だけがイケブクロではありません。駅前を少し離れるとまだまだ愛すべき路地が残る、懐の深い街でもあるのです。
昭和と平成の狭間がテレホンカード黄金期
さてテレホンカードですが、昭和57年12月から設置がスタートしたそうで、私の記憶でも高校時代にあたる昭和60年代にはもう当たり前のものになっていました。当時は財布に何枚か入れていましたね。
その後、緑色(またはグレー)のテレホンカード対応型公衆電話は、駅や学校、公共機関や商業施設などではもちろん、街中のいたるところに設置され、テレホンカードも栄華のときを迎えます。昭和の終わりから平成の初めくらいでしょうか。
今や日本国内の公衆電話の総数は171,179台(2016年3月時点)。2000年3月末には735,812台あったそうですから大幅な激減ですね。災害等の緊急時における重要な通信インフラとして一定数は残ると言われているものの、携帯電話・スマートフォンに取って代わられたテレホンカードはその使命を終えたのかもしれません。
テレホンカードと斉藤由貴と30万円
ここからは余談になりますが…
最盛期には新製品の販促グッズなどとして各企業がこぞって作ったこともあり、テレホンカードはコレクターたちの収集アイテムとしても人気となりました。
中でもNTT以前の「電電公社」の名が入ったものは希少価値が高いと値が吊り上がり、当時のアイドル斉藤由貴さんのデビューシングル「卒業」のプロモーション用に作られたポニーキャニオンのテレホンカードは未使用のもので30万円!の値が付いたとかなり噂になったものです。
なのである世代の人たちにとって、テレホンカード-斉藤由貴-30万円は一本の線で繋がるんですね。それにしてもあの噂、本当だったんでしょうか…。
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