有料老人ホームを見学する前に希望条件を整理しましょう(5)「重説」を読み込む
連載も5回目となりましたが今回が最終回となります。過去四回の投稿では
(1)月々の予算
(2)前払金をどう考えるか
(3)施設の類型
(4)サービスの内容
…と続けてまいりましたが、いずれも重要事項説明書(重説)に載っている内容なんです。
有料老人ホームの見学をお考えの方であれば、既にお手元に有料老人ホームから送られてきたパンフレットをお持ちの方も多いのではないかと思います。立派な装丁できれいな写真がたくさん入ったパンフレットを眺めているとなんて素晴らしいホームなんだ!と思ってしまいますが、「立派な建物や素敵なモデルルームが介護をしてくれるわけではない」のです。
一方、有料老人ホームの重要事項説明書は定型の様式に文字や数字が並んだそっけないものですが、その分有料老人ホームの素(す)の姿を見られる書類と言えます。
重要事項説明書はどこで入手できる?
重要事項説明書は、有料老人ホームからもらえます。資料請求をされるときに「重要事項説明書も合わせて送ってください」と伝えれば、最新のものを同封してくれるでしょう。
また、パソコンやスマホをお持ちの方であればインターネットで「ホーム名称 重要事項説明書」と検索すればヒットします。できれば比較しやすいように印刷しておくと良いでしょう。
施設の類型や職員体制、もちろん月々の費用や前払金プランの有無、リハビリ専門職員の配置状況や年齢別、要介護度別の入居者分布、男女比や平均年齢などひととおりの情報が得られます。
個々の項目についての「読み方」については以前、本ブログに掲載した連載企画【重要事項説明書の「読み方」講座】も合わせてご参照ください。
重要事項説明書に載っていないこと
ひととおりのホーム情報が網羅されている重要事項説明書ですが、載っていないこともあります。それこそが「見学のときに確認すべきこと」なんです。
施設の管理者(施設長、ホーム長、館長など名称は各社様々)の名前は載っていますが、経歴までは掲載されていません。当該ホームの管理者となってどれくらい経つのか、それ以前はどこで何をされていたのかなどは見学のときに確認されると良いです。
レクリエーションやアクティビティの内容も記載がありません。前回の記事でも触れましたが、外出系のレクリエーションがどの程度実施されているのかについては重要事項説明書を読んでもわからないのです。これについては、資料請求をされるときにレクリエーションのカレンダーを、できれば過去数か月分送ってもらうと良いでしょう。
食事の内容も重要事項説明書には記載がありません。これも資料請求時に献立表を送ってもらうことで情報を入手できます。味や見た目、食事どきの食堂の雰囲気などは紙ではわからないので、見学のときに注意して確認するようにしましょう。
リハビリについては専任職員の有無や、いる場合の理学療法士などの保有資格は重要事項説明書で確認できますが、その成果については記載がありません。リハビリへの取組とその成果についてはまとめた帳票や冊子などを用意しているホームもありますが、これも見学のときに確認したほうが良い内容ですね。
見学時の「質問・確認」項目を整理しておく
事前に確認できることは重要事項説明書でチェックしておけば、見学に行ったときに聞かなければいけないことや確認すべきところも見えてきます。
前項で例に挙げた施設長の経歴や食事の試食、リハビリの成果などのほか、面会時間のルールやホーム周辺の環境、入居者や職員の「雰囲気」などは現地を訪れたときにしっかり確認しましょう。
こういった事前の準備ができた状態で見学に行くのと、何も用意しないでただ見学に行くのとではその質に大きな差が生まれます。見学に行くことができない今だからできる準備をどうぞしっかりなさってください。
もちろん、どこから手を付けたらよいかわからないという方はどうぞウィルホームコンサルプラザまでご連絡ください。
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