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2016.04.26

有料老人ホーム選びの落とし穴(3) 施設類型についての「落とし穴」

早くも第3回となりました「有料老人ホーム選びの落とし穴」。今回の落とし穴は…

施設類型についての落とし穴

です。

有料老人ホームには大きく分けて3つの類型に分かれます。

介護付有料老人ホーム

住宅型有料老人ホーム

健康型有料老人ホーム(入居時にお元気な方が入居対象で、入居後に介護が必要になったら退去が必要というホームです。全国的にも数が少ないためこの項では説明を省きます)

の3つです。

このうち介護付有料老人ホームは「介護付」と書いてあるので「介護サービスが付いているんだろうな」と想像がつくと思います。その通りなんですが、とすると「住宅型有料老人ホームでは介護サービスを受けられないんじゃないか」と考えてしまいませんか?

事実、ケアマネジャーや病院のソーシャルワーカーなどの専門職の方でさえ住宅型有料老人ホームのことを「お元気な方が入る有料老人ホーム」と考えている方がおられます。ここが今回の「落とし穴」です。

「介護付」と「住宅型」の違いは介護保険の利用法にあり

結論からいうと介護付と住宅型の違いは、入居者の身体状況や要介護度の軽重ではなく、介護保険の利用の仕方の違いということになります。極端な話、「入居時に身の回りのことがご自分でできるお元気な方」を対象とした介護付有料老人ホームがある一方、重介護の方を積極的に受け入れる住宅型有料老人ホームもあるのです。

住宅型有料老人ホームは、自宅で介護保険を利用するときと同様、必要なサービスを選択し、利用した分の1割(または2割)が自己負担となります。保険で利用できるサービスを100としたときに、100使うことも90に抑えることもケアプラン次第で可能ということです。

場合によっては、(100の中で収めることができれば)今まで通っていたデイサービスに入居後も通い続けることも住宅型有料老人ホームなら可能です。

重要事項説明書ひな形

また住宅型有料老人ホームでは、建物内に訪問介護などの介護事業所を併設していることが多くなっています。

「住宅型有料老人ホームの○号室という自宅」に

同じ建物内の訪問介護事業所という「外部」から

介護や看護の職員が「訪問でやって来る」

といえばわかりやすいでしょうか。※介護事業所は館外の事業所から選ぶことも可能ですが、併設の事業所から受けることが多いです。

一方、介護付有料老人ホームでは、介護サービスは有料老人ホーム自体が介護保険事業者となって直接提供します。住宅型と違って介護保険のサービスは、要介護度別、自己負担割合(1割または2割)別に定額となっています。

先ほどの例でいえば保険で利用できるサービスを100としたときに、ホームに入居して「適宜必要なサービスを受けながら24時間体制のひっくるめたサービスを利用する」というサービス(介護保険上では「特定施設入居者生活介護」といいます)を受けることで100を丸々使いきるのが介護付有料老人ホームということです。ホームでの生活で100%介護保険を使ってしまいますので、今まで通っていたデイサービスに通い続けたり、福祉用具のレンタルを入居後も継続したりといった利用は、介護付有料老人ホームではできないということになります。

 

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運営会社によっても違う「住宅型」の扱い

住宅型有料老人ホームをどのように捉えているのかは、運営事業者ごとによっても異なります。オーダーメイドのケアプランを使って住宅型の良さを積極的に活用しようという会社もあれば、住宅型という類型名称が誤解を生みやすいからと、住宅型有料老人ホームなのにパンフレットの表紙にあえて単に「有料老人ホーム」と表記する会社すらあるのです…。

まとめ

・介護付と住宅型の違いは、介護保険の利用方法にあり

・介護が必要=介護付、お元気=住宅型ではない点に注意

・運営会社によっても「住宅型」のとらえ方は異なる

次回は、2つの類型の違いとも関係があるのですが、「職員配置についての落とし穴」についてご説明したいと思います。お楽しみに!