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ウィルホームコンサルプラザのブログ

2024.10.22

「ミドルステイ」のススメ

ようやく秋らしい気候になってきましたが、今夏は本当に暑かったですね。熱中症で具合を悪くされての入居相談は今年特に多かったです。

突然の「緊急事態」要注意は夏冬

 

要介護度が加齢に伴って徐々に重くなり、または認知症を発症して以降少しずつ家庭内でのトラブルが増えてきて…というケースであれば、ご家族も「そろそろホーム入居を検討し始めた方が良さそうだ」と情報の収集を始めたり、ご本人と老人ホームについて話し合うなどの「準備」もまだしやすいのですが、熱中症の場合、「昨日は元気に買い物に出かけていたのに」とか「朝、電話では話したときは普通だったのに」と、ご家族にとってはもちろん、当のご本人にとっても突然の事態であることが少なくありません。

慌てて家族が病院にお連れしてみると数時間点滴で様子を見て「入院するほどじゃない」と帰されることも多いのですが、エアコン嫌いのお父様だったりトイレが近くなるからと水分を取りたがらないお母様だったりするとご家族としてはどうしても心配になりますよね。

ご本人も点滴でいったん落ち着けば「もう大丈夫だから心配しないで」とエアコンをつけろだの水分をしっかり取れだの日中はあまり出歩くなといった「過干渉」を嫌う傾向があります。

 

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もちろん「老人ホームに入ったら」などと言おうものなら年寄り扱いするなと怒られること間違いなしです。ご本人にしてみたら「施設にお世話にならなきゃいけないほど弱っちゃいないよ」で、「たまたま暑さにやられて具合が悪くなっただけ」で病院での点滴と静養で「大丈夫」になっているんですから。

実は私たちウィルホームコンサルプラザにも毎年GW頃から「昨夏に熱中症で病院に搬送され、その時は事なきを得たが、今年の夏も暑くなりそうで心配」というご相談が、また今くらいの季節からは「昨冬に浴室で倒れたこともあってヒートショック※が心配で…」というご相談が増えます。

※ヒートショック
温度の急激な変化によって血圧が上下し、心臓や血管に大きな負担がかかることで、失神や心筋梗塞、脳卒中などの健康被害を引き起こすこと。冬場の浴室まわりが特に危険と言われています。

ご家族が心配しているほどご本人は頓着していないので、なかなか話が進まないこのようなご相談、私たちが選択肢の一つとしてご提案しているのが「ミドルステイ」なのです。

有料老人ホームなら職員は24時間常駐、医療機関との連携もあります。食事は3食、栄養バランスを考慮したメニューが提供されますし、空調など館内は快適な環境が整えらえれているので熱中症はもちろん、急な発熱や体調不良時の対応も取りやすく、バリアフリー環境で転倒などのリスクも大幅に軽減できます。

 

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そんな有料老人ホームを「暑さ(寒さ)が一段落するまで避暑地/避寒地代わりに使ってみてはいかがでしょう」というのが今回の趣旨となります。

 

避暑地/避寒地としての利用術

 

ご本人からしてみたら老人ホーム入居など必要ないと考えておられるわけですから強引に話を進めようとしてもうまくいきません。また老人ホームに対する嫌悪感だけでなく荷物の整理だの引越だのを面倒に感じたり、生活環境がガラッと変わることに伴う不安はもちろん、「子に老人ホームを勧められるほど弱い者扱いされた自分」に対する情けなさなどもきっとあることでしょう。

とはいえご家族としては「厳しい今夏(冬)を前にして、無事乗り切ってくれるだろうか」と心配なはずです。

こんなとき「ミドルステイ」を上手に活用することで事態が開くことがあります。

・入居の期間は「〇月末まで」と区切ることができる
・期限を切らず暑さ(寒さ)が一段落するまでとすることも可
・家の荷物はそのままなので荷物の整理も引っ越しも不要
・終の住処として入居するわけではなく一時的な仮住まい
・嫌ならいつでも家に帰れば良い

…と「夏の暑い(冬の寒い)間だけ、避暑地/避寒地として利用する」利用方法があるのです。

暑さが本格化する梅雨明け前後から気候の落ち着く10月くらいまで、早めに秋が来れば退去を9月に前倒しすることも、暑さが長引くようなら少し退去を延ばすこともできます。

「帰る家はそのまま在るので嫌ならいつでも帰れば良い」によってハードルはグンと下がります。また暑さや寒さが落ち着くまでの間とお尻が決まっているので心理的な負担が少ないのもポイントです。

 

実際の使い方

 

実は「ミドルステイ入居」を積極的に案内しているホームはそう多くありません。「3か月入居プラン」とか「半年入居プラン」というのはマレにありますが一般的ではありません。どうすればよいかというと多くの有料老人ホームで採用されている(入居時の前払金不要の)月払いプランで入居契約を結び、退去したい日の30日前までに退去届を出せばよいのです。

GW明けの5月中旬から入居希望で、暑さが落ち着く10月中頃になったら家に帰りたい…という例でいえば

(入居時)
月払いプランで入居契約。期間は定めずおおよそ10月くらいには退去したい旨を事前に伝えておく。家具が備え付けになっているホームであれば持ち込む荷物は着替えとテレビなど家電品程度。
入居契約を締結しているのでホームから持込が禁止されているもの(裸火と刃物類は持込不可とするホームが多い。ホームによっては冷蔵庫や電子レンジなどを持込不可としているところもあるので持参したい家電品がある場合は見学時に確認しておく)以外は自由に居室に持ち込むことができます。

住民票を移す必要はもちろんナシ。

(8月中頃)
暑さがだいぶ和らいできたようなら10月中旬ではなく9月中旬で退去することも可。その場合は30日前にあたる8月中旬に退去届を出す必要があります。

(9月中旬)
予定通り10月中旬でのご退去であれば9月中旬に退去届を提出します。

(10月中旬)
退去。気に入ったので来年もまた利用したい…となったときは居室に空きがあればあらためて入居契約を結ぶことで利用可。

…といったイメージです。

ホームによっては数か月の短期間で退去することが決まっているご相談を嫌う先もあるかもしれませんし、要介護認定で「要支援」または「要介護」が付いた方を入居対象としているホームもあるので要介護度によってはすべての有料老人ホームが選択肢になるわけではありませんが、「避暑地/避寒地としての有料老人ホーム」という視点は持っておいても良さそうです。利用期間を将来の備えとしての「体験入居」と位置付けることもできそうですね。

必ずしも「ホーム入居=終の住処」ではありません。

 

短期中期の入居相談も歓迎いたします

 

ウィルホームコンサルプラザでは今回ご紹介したミドルステイのご相談も承っております。例に挙げた「季節案件」以外でも、たとえば「両親二人暮らし、母が要介護の父を在宅で看ていたが、その母が体調を崩して入院することになった。ついては母が病院を退院するまでの間、どこか父の面倒を看てくれるところはないか」といったご相談も承ったことがございます。

 

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このときはお母様がいつ退院できるかが入院時点で不明だったので、いったんは数週間で帰ってくるかもしれないことを踏まえて日額×滞在日数の「ショートステイ」で利用を開始、リハビリをしっかり行ってから退院することが分かった時点で「月払い契約」に切り替え、退院予定の目途が立った時点で退去届を提出…という流れになりました。

内弁慶で他者とのコミュニケーションも得意ではないお父様とのことで心配されていたご家族様も「思っていた以上にホームでの生活に馴染んでくれてよかった」とミドルステイに好印象をお持ちいただくことができました。

これからの季節はヒートショックのほか、脱水症(意外に思われるかもしれませんが冬場は夏ほどのどの渇きを感じにくかったり、低い湿度や暖房利用等で皮膚から水分が失われる「かくれ脱水」が増えるため要注意です)、降雪や凍った道路での転倒など「緊急事態リスク」が高まります。

「転ばぬ先の杖」「避寒地」としての一時的な有料老人ホーム利用、備え対策のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。