コロナによる見学制限下での有料老人ホーム選び(後編) | 有料老人ホーム、高齢者・シニア向け住宅を探すなら、紹介センターウィルホームコンサルプラザ


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ウィルホームコンサルプラザのブログ

2021.01.20

コロナによる見学制限下での有料老人ホーム選び(後編)

前編では有料老人ホーム見学において現在、どのような制限が行われているのかについて解説し、中編ではそのような状況下の中、見学前にできる準備について解説いたしました。最終編である今回は、実際に見学に行くときに注意したいこと、確認すべきことについてお話したいと思います。

 

見学の予約時のポイント

前回の「中編」でお伝えした見学前の準備を踏まえ、「一度現地に行って詳しく話を聞いてみたい」というホームがあったら、見学の予約をしてください。

従来であれば見学は「随時受付中」で、アポイントを取らずに「ちょっと中を見せてください」と飛び込んでもほとんどのホームで見学をさせてもらえたのですが、現在はどこのホームに行っても飛び込みでは見学させてもらえないでしょう。

感染症対策の一環で、一日にご案内する見学対応数を決め、事前予約制としているところが大半だからです。電話やホームページの見学予約フォームなどから事前に訪問希望日時を伝え、アポイントを取ってから見学するようにしてください。

話が横道にそれますが、「見学は事前予約をしてから」というのはコロナ以前から私たちも推奨していました。館内の案内ができる人が不在というケースがあるからです。ホームによっては「見学希望者を装った競合他社の探り見学」を疑い、肝心なところを見せてもらえなかったりすることもあるんですよ。

さて見学の予約時には、空室があるかどうか、希望する日時に見学が可能かどうかといった従来の確認事項に加え、現在の制限状況を確認するようにしましょう。「前編」で触れたとおり、各ホームでは様々な見学制限が行われていますが、一律同じではありません。見学時に入館できる人数についてはホーム側から説明があると思いますが、館内をどの程度まで見学することができるのかについては確認するようにしましょう。

館内の見学を不可としたうえで、見学の代替策として居室や共用部を写真や動画でご案内…というホームも少なくありません。見学ができない場合はどのような代替策で対応しているのかも聞いておくと良いと思います。

昨年あった例では館内に「面談室」がないため、建物入口のガラス扉とホームの玄関扉に挟まれた「風除室」スペースに丸テーブルと椅子を置き、そこで説明を受けたことがありました。ホームの説明はどこで受けられるのかも念のため聞いておくと良いでしょう。

みずき上福岡の杜 エントランスは採光も豊かで明るく開放感あり
風除室(本文とは関係ありません)

 

ちなみに現在の空室状況については、あくまでも問合せ時点でのものです。入居を申し込んでから実際に入居するまでには早くても2週間、一般的にはひと月ほど時間がかかります。見学時点では満室だったホームでも、入居を希望する時期に空きがあれば良いわけですから、満室のホームを検討先から即外してしまうのは避けた方が良いです。10名20名の待機があれば別ですが、多くの有料老人ホームでは満室で待機者がいる場合でも待機者は数名程度くらいです。

 

面談時のポイント

入館時の検温、手洗い・うがい、手指消毒を済ませて館内に入ると面談室に通されます。そこで見学受付票への記入をします。項目は相談に来られた方の氏名、入居を検討している方と相談者との関係、入居検討者の要介護度、既往歴、認知症の症状の有無などについて、入居の希望時期などです。

この受付票をもとにホームの案内担当がヒアリングと説明をします。ここで大切なことは「なぜホーム入居を検討することになったのか」という理由です。在宅での生活で具体的に何に困っているのかという点を、感じているまま伝えてください。

「(認知症の症状などを)あまりそのまま伝えてしまうと、入居を断られてしまうのではないか」とご心配される方もおられますが、相談者であるご家族が何にどのように困っているのかがわかれば、ホーム側もその困っているところに焦点を合わせた説明ができますし、ご家族が希望するとおりの対応ができる/できないといった判断もしやすくなります。

なお見学受付票にも記載する既往歴については、病気・ケガなどで入院や手術をされた時期などを問われることがあります。厳密なものではありませんが、おおよその時期などは事前にまとめておくと良いでしょう。また服用されているお薬があれば、お薬手帳などを持参しておけば、薬名を一つ一つ覚えておかずに済みます。

見学の代わりに写真や動画で館内の説明をするときには、居室や共用部など設備のものだけでなく、レクリエーションやアクティビティの様子がわかるものも見せていただくと良いと思います。どこのホームでもこれらの写真はたくさんあるはずです。ホームは「生活の場」ですので設備だけを見てもなかなかピンとこないものなのです。

また昼食の試食もほぼすべてのホームで現在休止中です。できれば見学時に試食していただくのが一番なのですが、これもかなわないとなると、献立表はもらっておくと良いです。最近はカラー写真付きのきれいな献立表を用意するホームが増えています。仮にご本人様が見学に同席できなかった場合も、献立表があればイメージもわきやすいと思います。

イリーゼ八潮 献立表
カラー写真付きの献立表(本文とは関係ありません)

献立からはたとえば「朝食は和洋2種から選べる」とか、月に数度は「行事食として少し豪華なものが提供される」とか、献立以外に「都度その場で頼めるアラカルトメニューがある」とか、食事に関するいろいろな情報が掲載されています。週単位/月単位で用意されているところが多いのでぜひ持ち帰りたい資料です。

 

ほかには…

・浴槽の種類

→近年新しく開設されるホームでは、複数の入居者が一緒に利用する「大浴場」は減少傾向で、お一人ずつ入るユニットバス型の「個浴」が多くなっていますが、まだ「どちらが良い」という結論は業界内でも固まっておらず、どちらのタイプも存在します。また機械浴槽(一般の浴槽を跨げなくなった方向けの浴槽)も寝台型のものや、車輪のついた椅子に座って浴槽とドッキングするチェアイン型などの種類があり、複数種のものを導入しているところもあります。

・入居後に車いすを利用することになったときの対応

介護付有料老人ホームでは、要介護度別に定額で24時間365日のひっくるめ介護サービスを提供する代わりに、福祉用具のレンタルや在宅時に通っていたデイサービスに入居後も引き続き通うといった「他の介護保険サービス」を使うことができません。

よって在宅時に車いすを介護保険の福祉用具レンタルサービスを使って借りていた方や、入居した後に車いすが必要になられた場合は原則、保険外のレンタルで借りるか自費で購入する必要があるのですが、これもホームによって対応が異なります。(注)

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いわゆる「普通の車いす」についてはホームの備品として用意したり、退去された方が残していかれた車いすをメンテナンスして無償で貸与しますというホームもあれば、ご本人・ご家族様負担でご用意くださいというところもあります。1割~3割の負担額で借りることができた介護保険での福祉用具レンタルと異なり、購入にせよレンタルにせよ全額自己負担となり、費用面にも影響がありますので、確認しておきたいところです。

(注)

旧厚生省当時の「老人福祉局企画課長通知文書」(老企文書)の解釈の違いなのか、備品として用意している運営会社は「そのようにしなさいという通知文書があるので用意するのは当たり前です」と仰るし、ご本人様負担としているホームでは逆に「通知文書には個別的選択による介護サービス利用料は受領できると書いてある」と主張されます。当該文書は何度も読みましたが、あえていえば前者の方が正しいように読めます。車いすについての直接的な言及がないんですよね…。

・外出を伴うレクの現状について

コロナ前であれば当たり前だった「外出レク」ですが、今回のコロナ禍の中でももっとも強い影響が出ている分野です。

昨年10月、厚労省から各都道府県・市区町村宛ての「事務連絡」があり、社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点の一部が改正されています。

・屋外での運動や散歩など、生活や健康の維持のために必要なものについては外出の自粛要請の対象外である

・入所者の外出については(中略)不必要に制限すべきではない

・三つの密を徹底的に避け、基本的な感染対策を徹底

…という内容ですが、実際は気候の厳しくなる季節にかかったこともあり、多くのホームで外出はほぼできない状況です。

ただホームの方からのお話で、三が日を過ぎた人出の落ち着いたタイミングで近くの神社へ初詣にお連れした…ところもありました。近隣に適した公園や神社、散歩コースなどがあるホームでは適切な対策を取った上で外出を再開しているところもあるでしょう。コロナ前の状況と、コロナ後の取組みの両方を聞いておくとイメージが湧きやすいかもしれませんね。

 

ついでに…

これまで見てきたように、見学制限のある中で希望条件に合った高齢者ホームを選ぶのはかなり大変なことです。

できれば信頼できる「有料老人ホーム紹介センター」の相談員を上手に活用することを強くお勧めしたいと思います。

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このコロナ禍のなかでも多くの高齢者ホームを見学し、運営各社の見学制限状況を把握し、見学時になにを見て何を確認すればよいかを熟知している紹介センター相談員は、入居検討の大きな味方になることでしょう。

紹介センターごとにエリアや価格帯などに「得意分野」がありますし、対面での面談や見学時の同行もしているところとしていないところがありますので、「合わないな」と思ったら別の紹介センターをあたるのも良いと思います。

後編はお伝えしたいことが長くなってしまいましたが、このあたりで。こんな状況だからこそ、「丁寧に、慎重に、一つずつ」という基本的な姿勢が大切です。ウィルホームコンサルプラザでも引き続きご相談を承っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。