コロナによる見学制限下での有料老人ホーム選び(前編)
新年あけましておめでとうございます。本年もウィルホームコンサルプラザをどうぞよろしくお願いいたします。
1月7日から緊急事態宣言が発令されましたが、有料老人ホーム業界でも昨年来の「見学時の制限」が今も多くのホームで続いています。現状の制限内容を踏まえながら、この制限下での高齢者ホーム選びについて考えてみたいと思います。
前編の今回は「現状認識」として、いま高齢者ホーム界隈でどのような見学上の制限が行われているのか、見ていきたいと思います。
現状行われている主な「見学時の制限」
〇マスク着用と入館時の検温、手洗い・消毒
手洗いと消毒は従来から行われていたものです。マスクは以前は入館時にホームから渡されて付けるものでしたが、今はほとんどの皆さんが普段から着用されているので、特に制限とは意識されない方も多いでしょう。このマスク着用を求めるホームは100%と言って良いです。
検温も100%のホームで実施されています。基準となる体温については37.0度未満としているところが多いです。見学にご一緒したご長男夫婦のうち奥様が何度測っても37.1度になってしまい、車中でお待ちいただくことになってしまったことがありました。
〇見学人数の制限
人数制限も多くのホームで実施されています。多くのホームでは入館可能人数を1~2名としています。但し私たち紹介センター相談員などご家族以外の第三者の同席は不可としているところもあります。
〇見学時間の制限
見学時間の制限は2つの意味を含みます。つまり「訪問する時間」と「滞在時間」です。多くの入居者が共用部である食堂に集まるお昼時の見学は、不可とするホームが結構多いです。また入館してからの滞在時間も「極力短時間で」としているところが多く、30分程度で…というところもあります。
〇見学場所の制限
空室があっても、居室の見学ができないホームも珍しくありません。エントランスのある1階に居室のあるホームであれば、建物入口や面談室から近い居室を「モデルルーム」にすることで館内での移動距離を最小限に抑えることもできるのですが、1階がすべて共用部で2階から上が居室階…というホームではどうしても入居者とのディスタンス(距離)を保ちにくいことから「ご遠慮ください」ということになるのです。
この場合、通された面談室内で写真や動画を使って居室や食堂、浴室などの共用部を確認することになります。
このように、多くの制限が設けられている中ではありますが、新規の入居自体をストップしているホームはほとんどありません。
居室も共用部も見学できないのでは、「もう少し状況が落ち着いて、きちんと見られるようになってから」と時期をずらすという選択肢も場合によってはアリだと思いますが、それでも「入院先の病院から退院を迫られている」ケースや、「在宅では度重なる転倒や、認知症の症状などから安全な生活を継続しづらい…」というようなケースではそうも言っていられません。
次回の中編では、このような制限下の中でホーム検討を進めていく場合、どのような点に気を付けるべきか、そのためにどのような前準備が必要となるのかについて解説していきたいと思います。
どうぞ次回をお楽しみに!