コロナによる見学制限下での有料老人ホーム選び(中編) | 有料老人ホーム、高齢者・シニア向け住宅を探すなら、紹介センターウィルホームコンサルプラザ


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ウィルホームコンサルプラザのブログ

2021.01.15

コロナによる見学制限下での有料老人ホーム選び(中編)

前編では現在有料老人ホーム界隈で行われている「見学制限」についてお伝えいたしました。

今回はそれを踏まえて、どのように検討を進めていけばよいのか、より具体的に見ていきたいと思います。

「時期をずらす」という選択肢

いきなり本題からは外れますが、大前提としてそもそも「今この時期に有料老人ホーム入居を進めるべきか」は考えておきたいお題です。

・居室を含め館内の一部または大半の見学ができない

・入居者の生活している様子もほとんど見られない

・昼食の試食もできない(食事介助の様子も見られない)

…と通常時の見学に比べてできない、見られないことがかなり多い中でのホーム選びはとても難しいです。加えて私たち紹介センター相談員の同席ができない(場合もある)ことで「どこを確認したらよいか、何を聞けばよいか」がわからない中、短かい滞在時間の中で必要な情報を得て、複数のホームの中からより希望条件に合うところを選び出すのですから大変です。

見学はホーム選びの中で最も重要な「段取り」です。この見学を適切に行うことが難しいのであれば、より良いホーム選びのために「適切な見学」ができるまで、ホーム選びの時期をずらすことも大きな選択肢ではないかと思います。

在宅での生活を継続するために介護保険サービスのほか、行政や地域で提供されている介護保険外のサービスも積極的に活用するなどして「しばらくの間をしのぐ」ことができるのであれば、その可能性や選択肢も視野に入れると良いでしょう。担当のケアマネさんや、地域包括支援センター(お住まいの住所ごとに担当のセンターが定められています)に相談ができるほか、私たちウィルホームコンサルプラザでもご相談を承ります!

見学前にできることがあります

とはいえ、在宅での生活継続が難しいというケースもあるでしょう。ここからが本題となります。

見学が十分にできないのであれば、事前の準備でそれを補うしかありません。ホーム選びは「まず見学から」とお考えの方も多いかもしれませんが、まずすべきは「希望条件の整理」です。

希望条件(費用)

有料老人ホームなどの高齢者ホームに入居するとなると、当然ですが費用が掛かります。年金額や預貯金などをベースに月々どれくらいの金額が捻出可能なのかを確認しておきましょう。ホームによっては入居時にある程度まとまった額を前払金として納めることで月々の費用を減額できる料金体系のところもあります。

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「もし前払金アリのホームに入るなら、初期費用していくらくらいまでなら出せるのか」も合わせて考えると良いでしょう。

希望条件(サービス内容)

介護付有料老人ホームであれば介護職員は24時間365日、看護職も日勤帯(概ね9時~18時)は毎日常駐していますが、身体状況によっては「夜間帯も看護職が必要」な方もおられます。一般的に介護職より人件費の高い看護職を夜間帯も含め24時間体制で常駐させるとなると、その人件費の分、月額費用は高額になる傾向があります。また専門職をおいてリハビリに注力しているホームや、疼痛管理や医療機関との連携に特化してがん患者の受入を積極的に行っているホームもありますし、レクやアクティビティなど館内での行事・催し物を活発に行っているホームもあります。

また職員を基準より多く配置しているホームでは、個々の入居者のニーズに合わせたきめの細やかなケアが提供できる(=プラスアルファの人件費分、費用は高額になりますが)利点があります。

希望条件(立地/建物・設備)

入居後の面会に車を利用されるご家族なら、駅からの距離は重視しなくても良いかもしれませんが、公共交通機関でアクセスされるなら乗換の有無や駅からのアクセスも大きな検討材料の一つになります。

また建物は、有料老人ホームとして設計され、イチから建てた新築のものもあれば、元は企業の社員寮や研修施設、ホテルなどだった建物をリフォームして造られた「改修物件」もあります。新築の方が望ましいのはもちろんですが、改修物件は建築コストが抑えられる分、費用が安価なものも多いので、「改修物件であるデメリットに見合ったコスト面/キャリア面(改修物件は15年~20年前の開設ホームが多く、有料老人ホームとしての実績は豊富なところが結構あります)でのメリットを見極めることで選択肢になり得ます。

ほか「居室は個室が良い」「居室にはトイレ・洗面設備は少なくともほしい」「荷物をたくさん持ち込みたいので○○㎡以上の広さは必要」…など居室についての希望条件はまとめておくと良いでしょう。ちなみに有料老人ホームの居室は現在「トイレ/洗面付きの個室」がスタンダードで、相部屋ホームはほとんどありません。

アズハイム上福岡 モデルルーム
モデルルーム(本文とは関係ありません)

これらの希望条件を整理しないままで有料老人ホーム見学を繰り返しても、自宅にパンフレットが増えるばかりでなかなか結論を出すことができません。

重要事項説明書の活用

希望条件の整理がおおよそのところで済んだら、今度は個々の有料老人ホームについて詳しく知りましょう。パンフレットを取り寄せたり、ホームページを閲覧することで概要をつかんだら、次に見ておきたいのが「重要事項説明書」です。

パンフレットやホームページは、あくまでもホーム側が作成した広告物です。虚偽の内容が記されているということではありませんが、競合他社と比べて優れている特徴は大きく、劣っている内容は記載されていなかったり、別紙に小さく記載しているというようなことはあり得ます。

重要事項説明書は基本的に全国で共通のフォーマットで年に一回更新される書類です。

・入居者の概要(入居率/男女比/要介護度別/入居年数別)

・職員の概要※(勤務年数/資格別/専従・非専従別/常勤・非常勤別)※介護付有料老人ホームの場合。また勤務年数は当該ホームでのもの。同一法人での異動等は反映されません

・前年の退去人数とその理由

・協力医療機関(名称/診療科目/協力の内容)

…といった内容が記載されています。パンフレットを請求するときに「重要事項説明書」も一緒にくださいと依頼するか、パソコンをお持ちであれば「○○ホーム(施設名称) 重要事項説明書」と入力して検索すれば、開設前ホームなど一部を除きたいていのホームの重要事項説明書は閲覧できます。

重要事項説明書ひな形
重要事項説明書

初めて目にする単語もあるかもしれませんが、過去に本ブログで『重要事項説明書の「読み方」講座』と題して全10回の連載記事をアップしていますので合わせてお読みいただければと思います。

前後編の2回に分けてお伝えするつもりでしたが、長くなってしまいましたので今回を「中編」とし、次回「後編」にて、実際の見学のときの注意点や確認すべきことについてお伝えしたいと思います。