運営事業者から考える有料老人ホーム選び(後編)
前回は大手事業者の運営する有料老人ホームのメリット・デメリットについて解説しましたが、今回は運営施設が少なく、規模の小さな会社が運営する有料老人ホームについて考えてみたいと思います。
施設長の存在感
小さな会社が運営する有料老人ホームの特徴として、施設長の権限が広いことが挙げられます。
入居者・家族からの意見や要望を取り入れるべきかどうか、取り入れるとすればいつ、どのように取り入れるのかといった判断を、ある程度施設長ができることで対応は迅速になります。
また職員の採用や評価、近隣医療機関・ボランティア団体などとの提携交渉、入居者募集などホーム運営の幅広い分野で施設長が関わることで、独自の魅力を打ち出しやすい点は大きなメリットではないかと思います。
施設長に大きな権限があるということは、相応の能力や経験が求められるということでもあり、小さな会社が運営する有料老人ホームには実績豊富でリーダーシップにも優れた施設長が多いと思います。
良くも悪くも施設長のカラーが出やすく、またその存在感から施設長が変わったときには混乱も起こりがちな点は注意が必要ですが、小さな会社が運営する有料老人ホームにも、大手ホームにはない魅力があることは確かです。
大手運営事業者による買収や経営統合などで、これら小さな会社の有料老人ホームは少なくなりつつあるのは残念ではありますが、入居をお考えになるときには会社の規模や知名度だけにとらわれず、総合的に判断する必要があると私たちは考えています。
ご相談の際には、有料老人ホームを見るさまざまな「視点」についてもご紹介しています。どうぞお気軽にお問い合わせください。